2013年5月12日日曜日

貴州料理@胡同四十四号厨房

本日は、什刹海にある名店、「胡同四十四号厨房」へ、貴州料理を食べに行った。


実は我々、貴州料理が大好き。

一度、近所にある貴州料理店に食べに行って以来、
他の中華料理とは明らかに様相が違い、食べたことない未知の味なのに、
何故かしっくり舌にあってしまうという、謎の貴州料理に、心が囚われているのだ。


 というわけで、今回訪れたこの名店。

中国のオシャレスポット「什刹海」にあり、
名前も「胡同四十四号厨房」と、見るからにオシャレ。
さらに名前からも分かるように、老北京の居住スペース胡同を、
そのまま買い取って改装して作っているというオシャレっぷり。
まさに非の打ち所のないオシャレ。

そんなオシャレ店なので、我々が訪れた夜八時近くになっても、店の中は人でいっぱい。

中国人は規則正しくご飯を食べるから、普通は八時に行けばあっさり入れるのに…!



店の人に聞いた所、少なくともあと30分待つということ。
店の正面に待機所があるので、そこで待っていて欲しいと言われた。
空っぽのお腹を抱えながら待機所に入ると、なんとそこは託児所が!
一瞬間違えて入って来てしまったかと思ったが、
子供「ねえお母さんまだ~~?」
保育士「お母さんはまだお店でご飯食べてお話してるから、ちょっと待とうね~」
という会話の内容から、ここが間違いなく店付属の託児所であることが伺える。
専門の託児所があるなんて、なんというオシャレ…!


そして待つこと一時間。やっとのことで、順番が呼ばれ、ついに店の中に入る事に。
中に入ると、そこには、胡同を改造した不思議な空間が広がっていた。


写真が暗くてわかりにくいが、この店は、胡同と胡同の間の道を含む、
この一帯の胡同を全て買いあげて改造している。
胡同と胡同の間にある道も、そのまま丸ごとレストランとして使用しており、
ガラス張りの天上からは、空を見ることが出来る。

なんというオシャレ…。一瞬頭がクラッとする。

しかし、我々もオシャレさでは負けていない。
夫婦どちらもユニクロを全身身にまとっている。
Tシャツ、ズボンだけではない。下着、靴下まで、全て我々が装備しているのは、靴以外全てユニクロだ。
中国ではユニクロは中々高い。
したがって全身ユニクロの我々は、中国で言えば、かなりのオシャレさになるのだ。

我々は構わず中にずんずんと入り、そのまま注文をする。
しかし、メニューには写真がないので分からない。
というわけで、なんとなく勘で注文した。


そしてまず店員が運んできたのが、前菜と食前酒。

お分かり頂けるだろうか、この食前酒の色。
鮮やかなピンクとバラ色。
これは何なのかと言うと、この店イチオシのバラのお酒だ。
お酒が苦手な私だが、ひと嗅ぎして、その余りに良いにおいに負けて、ぐぐっと飲んでしまった。

おおお、なんてフルーティーでおいしいのだ!!!


最初に来たのが、前菜で頼んだ玫瑰马蹄
鮮やかなバラ色の前菜だ。
それもそのはず、この料理の「玫瑰」はバラの意味。そして「马蹄」はクワイ。
つまり、これはクワイのバラ漬けだ。味は何だか甘い。

これも非常に美味しかったのだが、
しかしながら一時間待ちぼうけを食わされている我々としては、
こんな甘ったるいデザートのような食べ物では待ちきれない。
これをつまむのを早々に切り上げて、他の料理をひたすら待つ。



最初に来たのが、この豆腐料理。
名前は「自制豆腐」。そのまま自家製豆腐の意味。

薄い揚げ出し豆腐が、豆乳に使った料理なのだが、これがとてつもなく美味しかった。
まず、豆腐の味自体がメチャクチャうまい。まるで玉子豆腐のような、あっさり感。
そして、ふわふわとしたこの揚げがバツグン。
その揚げの中に、適度に辛い、超まろやかな豆乳が染み渡って、
ああ、超おいしい!!!
思わずスープ込みで、一瞬で完食!これは次の料理も期待出来る。
(ちなみにこの料理、店員に貴州料理かと聞いたら、知らないと言われた…)



続いては、「乡村野趣」という料理。
メニューの説明書きでは、「肉や野菜を辛く揚げました」と書いてあったので、
もっとフライ状の物を想像していたのだけれども、フライというか素揚げ…。
しかし、これまた美味しい。
この茶色い部分は、何かしらの植物の茎なのだけれども、これがとんでも無く固い。
しかし、噛むと美味しくて、とても野趣に飛んだ、面白い料理だ。
貴州料理では良く野趣にとんだ謎の茎が出てくるので、きっとそれもその一種だろう(適当)



そして最後はこちら!貴州名物「酸湯魚」
貴州料理と言えば酸湯魚と言われる程有名なミャオ族のこの料理だが、実は我々、食べたことがない…。
なぜなら、二人だけで食べるには余りにも大きすぎる料理だからだ。
しかし、この店では、他の客が頼んでいる物を見たところ、あまり大きくない。
恐らく二人で食べきれるだろう、そう踏んで今回は頼んだのだ。

使う魚は、自分で選ぶことができるが、今回はシンプルにナマズ。
私はあまり川魚は好きではないのだが、ナマズだけは別格だ。
皮がプルプルとして、実がまるで肉のようで、まるで川魚の感じがしないからだ。



器によそって、スープを一口飲んでみる。

「!?」
その不思議な味に、私は思わず箸を止めた。

トマトベースのスープにレモングラスのような香り、そして酸味…。
なんだかトムヤムクンにも近いような…。

しかし、一口ふた口とする内に、その考えを改めざるを得ない事に気づく。

このスープ、とんでもなく後味がまろやかだ。
しかし、一体何のまろやかさなのかが、さっぱり分からない。

トムヤムクンだったら、間違いなくココナッツミルクだ。
しかし、これは明らかにそれとは別物だ。

今度は中に浮かんでいる白菜を食べてみる。
そこで初めて気づいた。
あれ…、この白菜発酵してる…
キムチではないけれども、ほんのり漂うキムチのような発酵臭。

そして、スープを再度飲んだ時、やっと私は気づいた。
この酸味とまろやかさの正体が、発酵品由来であることに…!

しかし、その事に気づいた時、既に鍋の中は、すっかり空になってしまっていた…。

しかし相変わらず、貴州料理は本当に面白い。そして面白い。
今まで食べた貴州料理、全て一品も外したことがない。
今回もまた記録更新である。
また貴州料理への好奇心が、むくむくと沸き上がってきてしまった!
いつか本場貴州に行かないと~~~!

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